わが家は転勤族の関西人夫婦。つい最近まで賃貸暮らしに疑問はなく、こどもが小学生の間はどこに異動になろうとも転勤についていく気でおりました。
が、12年目の松山を離れ(それ、ほんまに転勤族?と疑われそうだけど転勤族です)、次の赴任はまさかの関西圏。会社の都合で関西に戻ってまいりました。
お互いの親の介護度もあがったアラフィフ夫婦。
こどもは現在小学3年生。
都合よく関西圏にすべりこんだ。
これを機に、マイホーム探しを始めよう!と、5月からゆる~く始まった不動産巡り。
3ヶ月弱でなんだかんだと13物件に足を運びました。不動産を巡ってみて、わかったこと。
なんとなく始まった家探し
1回につき2-3物件回ることがほとんどなので、実際に時間を割いたのは6‐7回だったけれど、それでもなんだかんだと13物件。
家探しに前向きだったわたしに比べ、オットは「まだ先の話」と他人事だった最初のころ。だからって、わたしだけが物件を見ても夫婦間の溝は埋まらない。
お互いの温度差を縮めるには時間と空間を共有することにあると思ったので、家族で時間をつくって物件巡りをしました。
こどもは「えぇー」「また行くのー」と面倒くさそうだったけど(笑)
ふわっと始まった、最初の物件訪問
最初は、郵便ポストに入っていたチラシから。今の小学校区でよさげな中古マンションの見学会があり、電話して予約。とりあえずヒヤカシ程度の気持ちで見に行くも、これがなかなかいい物件で!
LDKからは緑も見える借景。
風も抜ける。
各部屋に窓があり明るい。
ベランダにはシンクもあり広い。
だけど、その物件は既に購入意思を示した先約がいました。わかる。そのくらい、惹かれるポイントのあるマンションでした。
ただ、財政難の京都市で家を買う気はなかったし、ムスコも「再転校いいよー!」だったので小学校区にこだわる必要はない。
案内してくれた不動産営業マンは女性、この方がとても感じの良い方で。他にもこんな物件があるので、もし興味があれば見に行きませんか?ライフプランなども見てみませんか?と声をかけてくれたので、そこから2ヶ月、なんだかんだとお世話になりました。
わが家の物件探しの条件
関西圏には自治体の選択肢がありすぎて、どこから探すか難しかったものの、ひとまず今の勤務地である京都と、いずれは大阪異動の可能性を視野に、大阪北部~京都南部間の中古マンションで。
新築マンションの値段はかなりあがっています。5,000万とか普通。返済期間の短い、定年まであと10年15年のわたしたちには無理。
3,000万円台もありますが、立地がイマイチ。いつか手放すかもしれないと思うと、資産価値につながる立地は侮れません。
それに、新築は“まだ存在していない架空の部屋”を買うことになります。窓からの見晴らしも空間も環境もわからない。
入居時期もこちらの自由にとはいかない。建築最中の物件は1〜2年先がザラ。こどもが4年生どころか5年生になってしまうわ!
以上の条件を前提に、今の最寄り駅から少しずつ南下しながら、ちょこちょことネットで物件検索。いいなと思う物件があれば、GoogleMapsで場所を検索し、周辺状況をチェック。
Google Mapsはデフォルトだけでなく「航空写真」モードも活用。航空写真だと道路の広さや周辺状況はよりわかりやすい。
もちろん、ストリートビューも重要。平面写真ではわかり得ない、隣接建物の高さなどもわかります。
ちなみに学区はこちらのサイトを参考にしていました。
口コミは100%ではないものの、制服の有無、集団登校の有無、給食の状況、生徒数にクラス数など最低限の情報はたいていわかります。
小さい学校がいいのか、マンモス校でもいいのか、そこは人によって考え方も様々。京都市に引っ越す際は1月から新しい学校だったので、2学期制か3学期制かも重要なポイントでした。
購入計画が曖昧でも、物件巡りのススメ
実際に行くことで2次元情報では知り得ない条件が見える
間取りや最寄り駅、中学校区などの条件をクリアした物件でも、実際に足を運ぶと「うん、違うな」と感じることも多々。
- 10階なのに、目の前に工場があり見晴らしが悪い(ついでに音も気になった)
- ベランダ側にマンションの別棟があり、眺めはその外廊下(そんなん毎日見たないわー)
- エレベーターや階段など共用部分が汚い。管理が行き届いていない?
- 駅近でブランド力のあるマンションでも、その価格に見合う理由が見当たらない
部屋自体は悪くなくても、共用部がボロボロだったり、高層階なのに見晴らしがダメだったり、駅までの道の安全性が疑わしかったり。
管理費が高いと躊躇いもありますが、安ければいいかといえばそうでもない。管理費をケチる物件は共用部を疎かにしてる可能性もあります。
管理費がそこそこの金額なのにエレベーターや外廊下、ゴミステーションが汚いと論外。築浅物件は割と低めですが、年数を経て上がっていきます。なので築年数が古くなると高めかな。
あ、機械式立体駐車場の場合は管理費高め。でもまぁ土地にゆとりがないと平面駐車場は設けられないしね。
実際にその場に身を置くことで、いろんなことが見えます。
内見で「いいかも」と気になる物件があれば、さらに後日、電車に乗って再訪。
画面上の地図検索だけでは、通勤路通学路がどんな様子かはわかりません。
歩道の狭さ、交通量の多さ、線路をまたぐのに陸橋や地下道を通らないといけないこともある。夜道、オットは大丈夫でもこどもは危なくないか?
駅への道はどんな様子か、何分かかるか、街並み、歩けばわかることはたくさん。隣の市くらいなら自転車で走ってみたり。
最寄りスーパーの価格帯や生鮮食品の鮮度、総菜の品ぞろえ、客層。
工場が多い、幹線道路そばは空気汚染が気になる。洗濯ものは外に干せる?
小学校が遠すぎるのも避けたい。近いと通学もPTA活動もラク。
近辺をさらっと歩くだけでも、その物件の審査ポイントはいくつか浮上します。
わたしの理想はそこそこの築年数+リノベーション。でも家族は?
わたしの理想は「そこそこの中古物件でリノベーション」。
築浅だと価格帯は高くなるし、リノベーションするにはもったいない。買ってそのまま住むのが基本的な流れ。
とはいえ、3年5年の物件でも、設備や建材の使用感がひどいところもあったし、自分の生涯の家にするのはなんか違うよなー。なんだかテンション上がらんなー。。て感じ。
その点、築20年25年の物件はあちこちボロボロだけど、どうにでも好きにできる!というワクワク感を伴いました。
だけど、それはわたしの視点。短くとも設計事務所で働いた経験もあるし、建築図面の見方もわかるし、片づけの仕事をしている分、動線や暮らし方を想像する力がある。と、自分で言う(笑)
でもこどもからしたら「こんな汚いとこに住むの?」みたいな感覚は少なからずあったと思います。臭いとかね(笑)一定期間誰も住んでないから、臭い予防の水分も乾燥しきって、排水口から異臭のする物件もありました。
物件を見るほど、自分たちの優先度がわかってくる
理想はリノベありきだけど、ちょうどいい物件がそうそうあるわけではありません。
(ドラマ『魔法のリノベ』第6話でも間取り大好きマドリストの独身女性が複数の物件を吟味するお話がありました。いやわかるー、ほんま、それー)
理想にビンゴ!だとしても駅徒歩15分以上だったり、駅前に店すらなかったり、普通しか停まらない駅だったり。
逆に駅近でそこそこきれいな物件はもちろん築年数は浅め。リノベを諦めて「このまま住む」を受け入れられるか否か?
京都や大阪への通勤のしやすさ。特急が停まる駅、準急は停まる駅、普通しか停まらない駅。
特急停車駅であることは絶対条件か?なら駅徒歩15分でもいいのか?
駅近でも特急が停まらないことは負け物件なのか?さぁ、どちらを優先するか?
この通勤目線でいえばGoogleMapsと同様、乗り換え案内アプリもかなり活用しました。オットの通勤時間、わたしの大阪への出やすさ。単身赴任になった際の、飛行機アクセスに新幹線アクセス。
他にも、その最寄り駅の雰囲気、子育て世帯や教育への自治体の取り組み方。
10年後20年後、こどもが巣立っていなくなり夫婦二人の生活になったときそこでの暮らしを想像できるか。
すべてが叶う物件に出会うのを待つか、この物件で手を打つか。
見に行くごとに家探しに対する優先度は変化し、検索する地域も少しずつ変化。
営業に追われるのが嫌なら新築物件へGO
そうそう、不動産屋は会うたびに次の約束を取り付けます。それがありがたいと感じるか、鬱陶しく感じるか。
いや面倒やろ!と感じる場合は、新築マンションを見に行くのはどうでしょう?
中古マンションだと、仲介業者は「ここがダメならここはどうか」と永遠に勧めてきますが、新築マンションは販売業者のみ。
購入にあたっての営業はあるかもしれませんが、「ほかで決めたので」「ちょっと合わなかったので」と断れば、後追いもないはず。
新築を買う気がなくても、今のマンション事情はわかります。価格帯×設備のランクがなんとなくわかったり、間取りの流行りがわかります。なんにせよ、今の新築マンションはかなり高い。
不動産屋の友人は「価格をあげれない場合は設備が中途半端」と言っていました。高すぎたら売れないし、かといって安くもできないから中身の質が落ちている傾向があるらしい。例えば食洗機が標準仕様でないとかね。
夫婦間の温度差OK!計画曖昧OK!でも物件巡りをしないと何も見えてこない
どんな夫婦でも最初は温度差があります。同じテンションで家探しを始める家庭は少ないのでは?と思います。(SUUMOカウンターで働く友人のご主人談)
特に、転勤族は「家を買うタイミング」は難しいと感じます。わが家はタイミングよく今年関西圏に戻ってこれましたが、別の地方についていっていたら、家探しなんてまだしていなかったはず。
その意思があっても、例えば関東に住みながら関西での家探しなんて、何度も足を運べないしね。オンラインや紙面上の情報だけではやっぱり決め手に欠ける…。
だからって、「まだいいか~」なんて先延ばしにしていると、こどもはあっという間に中学生になるし、世帯主の年収も下がっていくかもしれない(わが家は50代に入ったので切実!)
いろいろ明確でなくても、まずは物件巡りをおすすめしたい。
地元にいない転勤族だったなら、近所の新築マンションからでも始めてみたらどうでしょう?家に対する考え方や、こどもの成長過程をどう捉えるか、物件を巡ることで夫婦それぞれの考え方が見えてくると思います。
やっぱり庭付きの戸建てだね!と気づけば、気の合いそうな不動産屋を見つけて地道に土地探しから。古家付の土地もありますが、建築条件は絶対に確認が必要。
『案ずるより産むがやすし』
賃貸が悪いとかそういうことではありません。ただ、自分たちの住まいをどうするか?マイホーム像は、これからの人生をどう生きるか?にもつながる。
これから先の家族の暮らし。どう暮らしたいか?イメージしながら、少しずつでも明確にしたいですね。
にほんブログ村
コメント