わが家にもお盆休みにコロナ前線が到来しましたが、失われた体力も徐々に回復し、今は通常モードにすっかり戻っています。
わが家にもやってきました、コロナ前線。高熱から4日目、いまだ平熱は遠そうです
真夏の暑い時期に家の適温のなかで10日間も過ごし、食欲もかなり落ち込んだので、久々の外界はまぶしくて暑くて疲れました。コロナじゃなくても引きこもった後はこうなんだろうなと痛感しました。
コロナを迎えたわたしの経験をここに書いたことで、近しい人には少なからず参考になることもあったようです。その後、「わが家にも来た!」と陽性の報告が複数届いたしね(;´Д`)
関西の友人も複数の感染を耳にしています。そのなかのひとりが嗅覚と味覚を失い苦しんでいます。
コロナ療養で使った市販薬と、徐々に感じた味覚異常。いや異常でもないけど正常じゃない?
友人の経緯
ご主人の陽性から数日後、友人も陽性となり、その療養6日目。
スイカを食べた時に味覚の異変に気付いたそうです。「スイカって、こんな味やったっけ?」
そう気づいたら、他の食べ物もどんどんわからなくなり、世界の終わりを感じたそう。かなり落ち込んだし、コロナにかかったことですらいろんな人に言える話でもないのに、まして味覚嗅覚の異常を患ったなんて、他人には到底話せない…ひとりで悶々としていたそうです。
ご主人も回復後は微熱が続いたり、そのうちお姉さんと手分けしながら介護しているお母さんも陽性となり、濃厚接触者のお父さんも介護施設から閉め出され、お姉さんと実家をサポートする日々。
コロナに始まり、コロナに終わった8月。
コロナで失った感覚は「今まで当たり前だった“食べる”ことの大切さ」にも気づいたし、大変だったけれどお姉さんと実家を切り盛りしたのは「家族の大切さを改めて見つめなおせと言われているのかも」と思ったそう。
味覚を失うということ
味覚の異常は毎日の活力を失う。
味を感じないので、何を食べても「美味しい」と感じません。ただただ味のないゴムを噛んでいるようなもの。美味しさを感じないのだから、楽しくもない。
食べることが楽しくないから、作ることも嫌いになります。でも「食べなきゃ」「家族のために作らなきゃ」という義務感はあり、心のストレスは膨れる一方。
それが毎日、毎食のこと。
生きる基本は、食べること。
「美味しい」と思えることは、当たり前のことだけど、とてもありがたい尊いことなんだと改めて感じます。
アロマテラピーでできることはあるのか
アロマテラピーの視点から、免疫力や感染症予防に強いティートゥリーとユーカリの精油を提案し、彼女の元に郵送しました。花粉症や風邪症候群の際、鼻づまりや咳症状時に使うと心強い精油たちです。
タオル吸入の方法や、うがい、アロマバスなど使い方などをわたしなりのアドバイスを記して同封したのですが、届いた日に早速タオル吸入をしてみたら、「香りは遠くにしか感じないのに、徐々にリラックスしてとても癒された」とLINEが。
うれしかったなぁー!
そう、そういうことなんだよね。
香りを感じない、そしたらこの薬を飲みましょう。という単一なことではなく、植物の香りを感じようと「嗅ぐ」という行為をする。味覚や嗅覚に直接的に反応はなかったかもしれない。だけど、
その香りが鼻腔を通って脳に届き、結果的に気持ちはやわらぎ、リラックスできた。
これは、「●●に効く」という単一成分の薬を飲むという医療とは違い、香りを嗅ぐことで多様成分をあわせもつ植物の力が体に作用している結果だと思えます。
味覚や嗅覚を取り戻すことが目的ではあるけれど、それだけでもない。日々のストレスを取り除き、心をリラックスさせ、休息への誘導も必要。これは薬の服用ではなかなか得られません。
コロナ後遺症外来へ
しかし、そんな芳香療法もむなしく…あまり改善が見られなかった彼女は、数日前、コロナ後遺症外来へと足を運びました。
その耳鼻科には月に300人もの患者さんが訪れるそうな。その数も氷山の一角でしょうから、後遺症に悩む人たちが少なくないことがわかります。
血液や喉や粘膜の症状を診ながら、半年ほどのスパンで原因を探りながら治療していくようです。すぐに改善する人は稀。患者さんのうち6~7割の人は改善するとのことだけど、裏を返せば3割の人は改善が見られないということにもつながる。
わたしたちの体はとても精巧に頑丈にできているはずですが、人にはそれぞれ個体差があるので、一度なにかしらの機能異常をきたすと、元に戻りづらいこともあるのでしょう。
友人は異常を感じてから1ヶ月、早い段階での受診なので、治る見込みもそのほうがやっぱり大きいようです。とはいえ、異常を訴える人は喉や鼻の奥が腫れていることが多いのだけど、彼女にはその症状は見られず、副鼻腔炎などもないとのこと。
原因はいまだ不明だが、ひとまず出された薬を飲み、血液検査の結果をまた1週間後に聞きに行くということでした。
そして、注目すべき点がひとつ。「嗅覚が鈍くてもリハビリは必要で、アロマとか香りを嗅ぐことを勧められたわ!」と友人。
やっぱり!そうだよね!
薬は原因がわかれば対処療法で効くかもしれないけれど、薬だけでは完璧に回復するわけではないってこと。そりゃそうだよ。骨折したって同じこと。
手術で身体の機能としては元に戻せたとしても、そこから歩行練習や筋力トレーニングは必要。元の生活に戻るために、回復には必ずリハビリを伴う。
嗅覚異常のリハビリは、アロマテラピーってことなんだ。
回復した後も、健常者でも、アロマテラピーを日々の暮らしに取り入れることは、自己治癒力や自己免疫力を高めることにもつながる。
- 体が欲するもの、いいものを食べる
- 適度に運動する
- 香りを嗅ぐ
いいものを食べる=高価なものという意味ではありません。だけど、上質ではありたい。添加物ゼロの食事は目指さなくてもいいけれど、調味料と油はせめていいものを使いたい。
運動もしかり。ハードにする必要はないけれど、しっかり歩くことは足腰を鍛えます。
それと同様に、香りを嗅ぐということも、日々の暮らしの定番に加えてほしい。
日々の暮らしは、食べることと休むことに尽きる
そういえば先月末は24時間テレビでしたね。がっつりではないのですが、毎年なんだかんだでチラチラとは観ます。
足を失った人、聴覚を失った人、下半身が動かない人、視界を失った人、いろんな人がいることを、家族たちの日々を、それぞれの生き方や人生を、いつもわたしに教えてくれます。
視覚を失えば光を失い、字を読むことも愛する人の表情を見ることもできません。だけど、点字やブザーなど触覚や聴覚を活用して、生活することはできます。
足を失えば、歩くことはできません。ですが車椅子や義足などを使えば、旅行に行くこともスポーツをすることもできます。
なにかを失えば自由な暮らしではなくなりますが、人らしく前向きに生きていくことはできると思っています。
ですが、嗅覚の異常は命に関わります。腐った臭いに嫌悪感を感じるのは、本能的に「これはあぶない」と察知できているということ。食べてはいけない、飲んではいけないものを自分で判断できるのは大事なことです。ガス漏れに気づけば対処することも逃げることもできます。
そして、食べることを失うとわたしたちは途端に生きる力が弱くなると感じています。
わたしたちの体は食べているものでできている。食べることを怠ってはいけないと思っています。でも食べる量も「足るを知る」でないといけませんよね。そのさじ加減は難しいけれど。
外食も中食もしていいけれど、添加物を減らすこと工夫も重要。食べるものを変えれば、体は変わる。
そして、感染症にかかったり、疲れが体に出たときは、ただただゆっくり休むこと。しんどいときは栄養と休養に勝るものはありません。体に異常がなくても、心がしんどいときも同じ。
わたしも彼女も50代目前ですが、まだまだ人生は長い。年齢に伴って体は老いていきますが、美味しく食べて香りを感じられる、人間らしい機能をしっかり鍛えたい。今からでも遅くない。
最初は世の終わりだとかなり落ち込んだけど、いつかの段階で精神的苦痛の針はビョーン!と振れてしまったようで、今は元気になってきたとのこと。だから友達に会おうと思えたのかもしれない。味はわからないけど料理は作るし、ご主人に味の文句を言われたら勝手に調整せぃ!と言っているそう(笑)
なんとなく味がわかるものもあるらしい。チョコとか。辛いからわかるとかでもない。判別の規則性はわからない。でも出汁の味は全然ダメだそう。まぁ、風味を伴う繊細なものだもんね。
チョコはこんな味、カレーはこんな味、と頭で理解しているからなんとなくわかっている気になっているのかもしれないけれど、どん底だった頃よりはなんとなくわかるものもあるから、少しは回復してきているのかなと前向きに捉える。
彼女とまた美味しいランチを一緒に食べられる日を楽しみに、今まで通り声をかけること、応援することしかわたしにはできませんが、ゆっくりでも回復することを心から願っています。
うん、思ったより元気な彼女に会えて、マシンガントークできて、安心した!
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